中東・ネットスーパーレポート No.7

「留置き」改革の勧め!

数年前ですが、イトーヨーカドー・ネットスーパーさんに、7-11(CVS)の店頭に宅配ロッカーを置いて、受け渡しに利用してはどうか?と提案した事があります。当時から、予感されていた<人手不足&物流経費高騰化対策>です。

ネットスーパー商品のCVSでの受け渡しには、解決しないといけない幾つかの課題があります。しかし、ヨーカドーさんが断られた理由は、そうではなく、ネットスーパーは<手渡しが原則>です、というモノでした。

これは、頷ける理由でしたが、そこで気付いた事があります。

<手渡しが原則>ですから、留置きは出来ない事になります。従って、<時間指定配達>が必要ですが、効率的に不可能です。 ここから、<多便制>が出て来たと思えます。エスカレートして、都心部では10便以上の<多便制>が現実化しています。

更に、連動して<キャップ>の運用が当り前になり、キャップ数と受注数との乖離を極小化する事が、主要な業務になっています。これらを、丸ごと、<アウトソーシング>しているのが現実のようです。

私は、ご存知のように、<小商圏・直営・2便・留置き・キャップなし>を推奨しています。だから、何故、配送効率の悪くなる上記2.の仕組みが、当り前として運用されているのか、理解出来ませんでした。更に、配送効率が悪い為(=私流に言うと、1配達毎の配送単価が高い為に)、無意識(?)の内に、高単価誘導がされて、@5,000以上が平均単価です。

数年前まで伸び続けていたイトーヨーカドー・ネットスーパーの成長が、500億円辺りで鈍化しているように見えるのは、この高単価路線のシェア限界ではないかと、理解しています。

<手渡し原則>の拘る理由はないと思えます。前回のレポートでも触れましたが、生協宅配<=共配・個配・ステーションの3業態の合計>の売上は、1.7兆円です。ネットスーパー合計は、1,200億円と推定出来ますので、<食品宅配>は、圧倒的に生協宅配が基準です。全国50ヶ所以上の地域生協が、日曜日を除く毎日、56億円の食品宅配をしています。共配のシェアが低下している現在、全てが在宅者ではないので、個配の留置きが増え続けています。又、ステーションも増え続けています。

食品宅配においては、<手渡し>ではなく、<留置き>が常識化していると思えます。ネットスーパー側が、手渡し原則に拘る理由がないと思えます。

もう一つ、手渡しによって、会員様とのコミュニケ―シンが取れる=ラストワンマイル=という利点があるかも知れませんが、アウトソーシングの段階で、その理屈は破綻しています。直営でこその、ラストワンマイルです。

イトーヨーカドーさんを例にとって述べて来ましたが、IYさんをベンチマークして<手渡し・多便・キャップ・高単価誘導・アウトソーシング>されている企業の皆さんにとっては、他人事ではない筈です。

先ず、<手渡し>を見直して、<留置き>研究&実行されてはどうでしょう。一度スタートした制度設計の改革は、大変勇気のいる事ですが、<留置き>の導入は、比較的バーが低いと思えます。物流改善は、<留置き>から!

★私が関わっての情報ではないですが、イトーヨーカドーさんが、7-11(CVS)での商品受け渡しロッカーを、研究され始めたようです。流れや理屈から言っても頷ける情報です。

以上

このページの先頭へ