中東・ネットスーパーレポート No.5

ネットスーパーの有料化について

ネットスーパーの黒字化問題の解決策として、<有料化>がここに来て、真剣に語られるようになって来ました。

私の基本スタンスは、<有料化なしで黒字化はあり得ない>です。具体的には、黒字化の原則は、1配達毎に利益が出る構造を設計する事です。

例えば、配達単価3,500円・粗利率23%の場合の粗利額は805円ですが、805円で全ての経費が収まらないと利益は出ません。その経費構造の設計が大事なのです。私が、物流の外部委託に賛同しない理由はここにありです。

しかし、この原則・設計が実現出来ていない企業が多いのが現状です。ならば、805円に配達毎の会費100円や、配達料100円上乗せが出来れば、売上総利益905円になり、黒字化に近づきます。

これが、有料化問題の本質です。

有料化の現実的な2つのアプローチ

有料化には、現実的な二つのアプローチ・手法があります。

①月間会費制
②都度配達料

①の月間会費制は、すでに多くの企業が採用されている手法です。代表事例がスーパーサンシさんで、推定の年間会費収入が1億円近くあり、ネットスーパー黒字化の主要な要因となっています。このモデルを採用される企業が、少しづつ増えて来ています。生協宅配も、ある意味会費制です。

導入を躊躇される企業は、会費制では会員様が集まらないと考えられるようですが、初めからの導入の難易度は低いです。 問題は、途中からの導入で、まだ、成功事例を知りません。

②の都度配達料は、現在、イトーヨーカドーさんがトライされているように、各社の検討・挑戦が始まっています。これも、最初からの設計ならバーが低いと思われますが、途中からの導入は大変厳しい筈です。

イトーヨーカドーさんの挑戦も、上手く行かないと言うのが私の考えです。現在、この成功事例は、ごく僅かです。

有料化成功の条件

有料化が成功する条件は、「優良会員様」です。月間2万円以上ご利用して頂ける会員様は、新たなご負担(=月間会費であれ、都度配達料であれ)を容認して頂ける可能性が高いです。

売上で2/3、稼働会員様数で1/3の優良会員様が、実行の目安になります。私が、イトーヨーカドーさんに懐疑的なのは優良会員様比率が少ないと判断しているからです。悪影響が多いかも知れません。

このレポートでもいつも申しあげていますが、欠品を無くし、品質対応をして会員様の期待に応える、これが王道のネットスーパーです。

その心は、優良会員様を、一人づつ育成して行く事です。<有料化と優良会員様>、これがセットというのが、新たな原則です。

ネットスーパーが生き残る為に!

5,000円以上買って下さい、以下なら配達料を頂きます。という<高単価モデル>が破綻しつつある現在、ネットスーパー生き残りの為に、<会費&配達料有料化モデル>が必要になって来ました。

各社さんの果敢な挑戦で、業界としてのノウハウが深化する事が必要です。

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