中東・ネットスーパーレポート No.3

*ネットスーパー:3つの原則について(その1)

ネットスーパー(=店舗出荷型宅配)は、何故、大きく普及しないのか?長年の疑問です。
歴史の違い、手法の違いがあるのは事実ですが、生協宅配1.7兆円に対してネットスーパー1,200億円(*中東推定)は、余りにも、売らなさ過ぎというのが、私の率直な実感です。

センター出荷型宅配で失敗し、店舗出荷型宅配に方針転換してから今日まで、スーパーサンシの高倉会長と、常に話合っている事があります。

  • ①店舗と同じ商品を
  • ②店舗と同じ価格で
  • ③店舗と同じ品質で

必ず、お客様は、店舗から宅配にシフトして頂けると言う確信です。

<①店舗と同じ商品をお届けする>。一見当り前の事ですが、ネットスーパーの現場では、大変苦労している課題です。
受注したのにお届けできない。所謂、欠品に代表されるこうした現象が、現場では、日常茶飯事で起こっています。受注したという事は、店舗販売ではお客様が商品をカゴに入れたと、同義です。あとはレジで決済するだけです。この当り前の事が、ネットスーパーでは出来ず、<欠品>という概念で処理されています。実際、欠品率や欠件率の高いネットスーパーの業績はよくありません。これは<①店舗と同じ商品をお届けする>という事が出来ていない事の結果です。

以前、京都生協さんの物流センター(日商1億円を処理するセンター)を見学した折、驚いた事がありました。欠品率を聞いたところ、<10PPM>程度という回答でした。Mというのは、ミリオン=100万の=事で、100万分の幾つか、というレベルです。1億円の売上・商品量で、ほぼ欠品ゼロと同義です。
生協宅配は、その為に、1週前の受注・1週後の配達に徹しています。受注後最短〇時間でお届けするというサービス合戦には、組しない態度です。(欠品ゼロ > リードタイム)、これが生協宅配の優先順位です。

欠品ゼロを言い続けて来ました。幾つかの企業・店舗で、ネットスーパー担当・商品部・部門パートさんと、継続的なミーティングを実施して、欠品率・欠件率の減少に取り組んで来ました。
結果、一定程度(1%)までの低下は可能と判断しています。

一方、業界の大方のスタンスは、

  • ①売場・部門の協力が得られない
  • ②欠品撲滅に要するコスト(人件費や在庫)がもったいない
  • ③受注システムの段階で、会員様の了解を得ている

など、欠品ゼロ=店舗と同じ商品をお届する=に対して、消極的です。他にも、課題が山積みの中、<欠品ゼロ=店舗と同じ商品をお届する>というネットスーパーの最優先課題が、優先順位の上位から滑り落ちています。

生協さんの<PPM>とい概念は別格としても、<欠件率1%>の目標設定は十分に可能です。ネットスーパーの本来の目的・原点に帰って取り組んで、貰えたらと思っています。

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